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自ら行動をする子に育むために気を付けたい子どもとの距離感

朝外へ出ると、息も白くなる季節となりましたね。
こんにちは。日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織でございます。


「はやく、○○しようね」「○○もしないといけないよね?」
こんな言葉がけの毎日。
イライラも募り、これではお子さんのためにもお互いによくない。
お子さんとの関係性は、きっとみなさまが悩まれることと思います。


そんな時、ちょっと立ち止まってお子さんとの距離感を見直されてみてください。



私はコンクールに出場する生徒さん、音大に進学を希望されている生徒さんたちのレッスンもしてきましたが、
そのような子たちでも「自ら行動しない」姿はたくさん見てきました。


では、自分でコンクールに出たいほど、専門的に音楽を学びたいほどなのに、
なぜ自ら行動しないのでしょうか?

それはお子さんの中で少なからず「させられている」感覚があるからです。


親御さまのみなさまの多くは、お子さまに何かを強いるお気持ちではなく、
きっとお子さん方が望むことを応援してあげたいお気持ちで接していらっしゃることと思います。
しかしながら、この「応援の仕方」が実は大きく影響しています。


近年話題となっているアドラー心理学では「課題の分離」という考え方がございます。
誰の課題かを明確に考え、相手の課題には入っていかないという考え方です。

たとえばピアノのコンクールに出たい子でご説明しますね。

ピアノのコンクールに出場したいことをお子さん自身が望んでいるのならば、
お子さん本人で切り拓かなくてはいけない課題はお子さんの課題。

お子さん自身には、どうにもできないことは、応援したいとお考えの保護者の方の課題です。

簡潔にご説明しますと、コンクールで入賞するために必要なこと
① レッスンでご指導の先生のアドバイスをしっかり聞く
② アドバイスを受けたことを家庭での練習で解決する
ことは、お子さん自身の課題であり、


レッスンを受けるために必要なお稽古代を負担すること、
先生のお宅までがお子さんの足では絶対に行けない距離であるならば、
先生のお宅まで送り迎えをしてあげることは、親御様の課題と言えるでしょう。


しかしながら、応援してあげたい!というお気持ちが、
お子さん自身の課題にまで踏み込まれてはいませんか?


その距離感を続けてしまうと、「誰がやりたいことなのか」という関係性が崩れてしまい、
お子さんたちはいつまでも本質的な自立ができなくなってしまいます。


親御様の課題の方に入れおります「送迎」も、年齢によって見直す必要がありますね。
お子さん自身の力でできることは、お子さんの課題だからです。


いつまでも自立してくれない。。。とお感じの時は、このバランスが崩れていることが予想されます。
可愛い子には旅させよ と言いますが、お子さんとの距離の取り方は、
子育ての最大のテーマだと感じております。

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