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粒立ち優位に必要なこと

一つ前のコラムでお伝えしました価値観は、豊かな楽曲を組み立てるのには、
どれも必要なことで、バランスよく身に付けさせてあげることが理想です。


粒立ち優位と音色優位の方は、どちらも自分の音をよく聞くからこそ、成し得ることです。
それぞれが、どちらも身に付けると楽曲の中で、いろいろな音を繰り出すことが出来ますので、
その特徴について知っているとよいと思います。



粒立ち優位のお子さんは、全体に音のスピードが速い傾向にあります。
8分音符だけで構成された楽曲、16分音符だけで構成された楽曲は、
何よりも音の粒を揃えていくことが必要ですので、
粒立ち優位のお子さんは、得意とする楽曲になります。


「揃える」ということは、言葉にするととても簡単なことのようですが、
5本指はそれぞれ指の形も重さも違い、動きのスムーズさも異なりますから、
粒を揃えることが出来るということは、とてもテクニックが身に付いているということです。


しかしながら、粒立ち優位のお子さんは、音のスピードが速い分だけ、
鍵盤に重さを掛けている時間が短いので、空間に広がる響きのある音を出すことは苦手です。


楽曲の中では、いろいろな響きを持った音を出すことが必要となる曲の方が多いので、
粒立ち優位の方には、指先に重さを掛けている感覚を磨くトレーニングをさせてあげることが一番です。


どのくらいの重さを、どのくらいの時間掛けているかをいろいろ実験させてあげることで、
音色の変え方を学んでいきます。


そもそも粒立ち優位のお子さんは、自分の音をよく聴いていますから、
指先の感覚を使うことをさせてあげると、すぐ身に付けていくことが出来ると思います。


楽曲の中で、響きの少ない音、豊かな響きの音を操る術を覚えておくと、
面白いように音が操れるようになりますから、よりピアノが楽しくなるのではないかと思います。

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