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楽器の上達~初期指導の重要性~

楽器の上達を考えた場合、導入時期からの指導が大きな意味を成します。

音楽とは「音」を扱うもの。
大きな学年になれば、扱わなくてはいけない音は増えていくだけですから、
音数の少ないうちから、「音」に対してどのような価値観を育ててあげるかで決まってしまいます。


ですから、お稽古を始めて早い段階から、曲を形にしていくことだけでなく、
楽曲を組み立てていくために必要なこと(音の役割)を一つ一つ教えてあげる必要があると考えます。



お稽古を始めて本当に初期のうちは、まず「音楽って楽しい!」という気持ちを育ててあげることが何より重要です。


「楽しい」という気持ちが育てば、お子さんの心には「知りたい」という好奇心が生まれます。

その時期からは、一つ一つの音の役割を教えてあげることで、
分析力も育ちますし、奏法そのものも身に付きます。


時にご相談として、「上手になりたい」という気持ちがあるのに、なかなかうまくならない。
練習時間も掛けているのに、上達の秘訣はどこにあるのでしょう?と伺うことがあります。


音楽はセンスや感覚が必要と思われがちですが、上達のために必要なことはそれだけではありません。
初期からの指導でどう学んできているかで、その後の音楽的な将来が決まっていきます。

音符や記号はお勉強と違い、覚えなければいけないものそのものがたくさんあるわけではありません。
ですが、音楽的な上達が「センス」と思われがちなのは、音は目に見えないからなのではないかと思います。


音の役割を読むのには法則がございます。
その法則をしっかり一つ一つ学ぶことが出来れば、決してセンスによるものでも、感覚が豊かな子しか上達しないものでもありません。

いかなることにおいてもそうですが、「答え」を教えてしまうことは簡単なことです。
しかしながら、答えしか習ってきていない人は、答えを導いてくれる人がいなければ、自分自身の力で答えを導き出すことはできません。
ですから、お稽古を学び始めてすぐの時期から、根気強く「考え方」の蓄積をしてあげることが、
時間は掛かることですが、お子さん自身の力で答えを導き出せるように育んでいくためには重要なことです。





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