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心が輝く魔法の言葉

お子さんたちの反応は大人の鏡。
レッスンでたくさんのお子さんに接すると、そう感じることがとても多くあります。

お子さんたちにとって、保護者の方の価値観は絶対であり、
心から信頼する親御様の様子を、子供たちはじっと観察しています。
ですから、保護者の方のお気持ちを、子供たちはとても鋭くアンテナでキャッチしています。


本当に不思議なまでにです。
普段は、とても上手に弾いているのに、本番になるとボロボロになってしまうお子さん。
いつもは緊張感が切れているのに、本番になると見たことないくらいの力を発揮するお子さん。
一体、何が違うのでしょうか?


上述しましたように、お子さんは大人の「心の中」を敏感にキャッチしています。
私がこれまで感じてきた経験では、大人の接し方がとても大きく関わっています。
周りにいる大人が、「大丈夫!あの子は必ずいい演奏をする」そう思っていると、
子供たちは、子供たちの中にある真の力を発揮します。


反対に大人の心配事を子供たちにそのまま掛けると、それが実際のものとなってしまいます。
保護者の皆様は、子供たちの努力を一番近くで見て知っています。
だからこそ、「ミスをさせまい」と言葉を掛けてしまうのがご心情かと思いますが、
でもだからこそ、子供たちが自分の持つ最高の演奏をすることを信じてあげられる一番の存在です。


もちろん、本番までの準備は皆様同じように、万端にしてきているはずです。
本番は少なからず緊張の環境がそこにはあり、でもそこで「緊張をいかに感じさせないか」
「自分自身の力をいかに信じることが出来るか」が分かれ目となります。

ですから、子どもたちが不安に思う言葉は一切掛けないことです。

子どもたちは、そもそも自分自身の力で乗り越えていく力を持っています。
この世に生を受けた時は、そこに希望の光だけが見えています。
ですが、そこから「不安」を覚えていくのは、周りにいる大人のマイナスの言葉からなのです。


世の中には、楽しいことより、大変なことの方が多いかもしれません。
でも、だからこそ「大変を乗り越える力」を育ててあげることが大切だと思います。
それには、乗り越えるパワーを与える言葉をたくさん教えてあげることが、大きな力を持ちます。


どんな困難にぶつかった時も「大丈夫!私ならできる!」と思えるのは、
「大丈夫!あなたなら出来るよ!」という言葉を聞いてきたお子さんだからこそのこと。
そもそも「できる」「できない」も、「できるまで頑張れるか、その途中で努力を辞めてしまうか」です。
だからこそ、頑張り抜けるだけの力を持たせる言葉で、励ましてあげてください。


コンクールなどで、緊張の場に立った時を想像してみてください。
不安でいっぱいな時、あなたなら何という言葉を掛けて欲しいですか?


私は以前教え子より、本番の前に緊張しているとき、
先生の「大丈夫だよ!」という言葉で、私は勇気が出た。。。とお手紙をもらったことがありました。

細部に亘って、丁寧に一つ一つ教えてきたという思いはあっても、
大丈夫かどうかは、自分のことではありませんから、私にも根拠はありません。
でも「大丈夫」と、誰かに背中を押し、勇気づけてもらっただけで、
人は何倍も力が湧き、持っている力を発揮することが出来るものです。


それが、自分が尊敬する保護者の皆様の言葉だったら百人力です。
それが、特別な時だけでなく、日常のことでしたら、
保護者の皆様に掛けて頂いた言葉は、そのままお子さんの価値観となり、
お子さん自身の口グセともなって、、周りの方を勇気づけてあげられるようにもなります。


とても素敵なことですね!
そして大切なお子さんを勇気づける言葉は、保護者の皆様ご自身を勇気づける言葉にもなってくれるはずです。

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