コラム

観察力を育むために

現代社会は、本当に便利な世界になりました。
情報量だけで考えても、10年前とでは530倍もの情報が世の中にあふれていると言われているそうです。


その中には良い情報もあれば、価値観を惑わすものもあるでしょうから、
私たち大人が、未来ある子どもたちに教えてあげなくてはいけない最も大切なことは、
判断できるための『観察力』なのかもしれません。



現代の子たちは、情報に恵まれていること、私たちが子ども時分の頃よりも、
保護者の方の教育熱が高いことから、「与えてもらう」ことが多くなっているように感じます。


音楽教育においてもYouTube等、調べられる情報が豊かになった分だけ、
解決策を見つけられる手立てが増えたので、
全員に対して平等な教育をしてあげられる環境になりました。


全国の先生方にとっても学ぶ環境、情報共有をする環境が整ったことで、
子どもたちへ還元できる教育も豊かなものになりました。


しかしながら、本当の意味で優秀な子に育んでいくためには、
ご本人の観察力を高めてあげることが大切であることは、
現代も変わらないことだと強く感じます。


私たちが子どもの時分、音楽の道を志す方は恐らく皆さんが、
「芸は盗むもの」だと言われたことがるのではないかと思います。


伝え方が上手な先生の伝え方を学ぶことが出来る環境になったことで、
ある程度のところまでは知識を得ることが出来るようになりました。


でもそこから先の本当に細かなことは、子どもたち自身が五感をフルに使い、
神経を研ぎ澄ませて吸収しようと思う気持ちが大切です。


しかしながら、与えられ続けている子は、自分から何かを吸収しようという
気持ちを持つことは対極にあります。


周りにいらっしゃる大人の方の「見守り」の姿勢こそが、
観察力鋭い子に育んでいくためには鍵となります。


子育てにおいて、子どもとの距離の取り方は難しいテーマですね。
しかし1つだけポイントを押さえるとしたら、それは「信頼」と「尊重」の気持ちで見守ることだと感じます。



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