コラム

なぜ絶対音感を身に付けて欲しいのか

私ども日本こども音楽教育協会では、2016年より絶対音感指導士養成講座を始めておりますが、
絶対音感を持つことが子どもたちに与えてくれる様々な喜びを想像して、
受講して下さる先生方のその先にいらっしゃる多くの子どもたちのため、
お伝えしたいことを日々考えてきました。


私たちが目指す理想の音楽教育の最終目標は、
「音楽的な自立」が出来ることです。




音楽的自立とは、まず自分自身が楽しいと感じ、意欲的にレッスンや練習に取り組むこと。


その理想の姿を叶えてあげる一端として、子どもたちに必要だと考える力が2つあります。
1つ目は絶対音感を持つこと。
2つ目はソルフェージュ力を高く育ててあげること。

楽器の中には声楽やヴァイオリンのように、相対的に音の高さを決めていくものもありますが、
絶対音感がついている子は、音の世界が明確に広がっていきます。


英語も読んで訳せるのと、英文が書けること、話せることでは、
持っている力に差がありますが、音楽もまた同じです。

音楽のお稽古の中では、「聴音」と呼ばれるトレーニングがございますが、
これはピアノから流れてきた音楽を楽譜に書くトレーニングです。

聴音がスムーズに出来るということは、音の高さがわかり、
拍子の仕組み、リズムの仕組みが理解できていなくては楽譜として書くことは出来ません。


そこまで理解できている子たちが、音楽を聴いたり、楽譜を読んで得られる情報と、
そうでない子の中で広がる世界とでは、まったく違ったものになってしまうことでしょう。


音楽は、子どもたちの情操を豊かに育て、思春期などの葛藤につまづきそうな時、
また人生の中での悲しみや喜び、いかなる時も寄り添い、心を癒してくれるものです。
ですから、私どもは音楽が一生涯の楽しみとしてそばにあって欲しいと願っています。


子どもたちの年齢が上がると共に、楽譜はどんどん複雑になっていきますが、
反比例して練習に確保できる時間は少なくなります。
ですから、この時期までに音楽的な自立が出来ていることが、
長く楽しく楽器のお稽古を続けていくための一番の秘訣だと感じてきました。


日本は音楽を学ぶ子どもの数が世界一の国。
しかしながら子どものうちに辞めてしまう数も世界一の国です。


この現状を変えていくことが、子どもたちの明るい未来、
牽いては日本の明るい将来を実現してくれることと思い、
絶対音感を持つ子を増やすこと、楽器を学ぶ子のソルフェージュ力の向上を目指して、
音楽教育に携わっていきたいと考えております。


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