コラム

繋げる回路を育てる

猛暑続く毎日いかがお過ごしですか?
日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織です。


乳幼児期はさまざまなことを経験させてあげる時期。
そして幼児期後半から児童期へかけては、その経験してきたことを繋げてあげる時期です。


その時期に大切なことは、解き方ではなく、考え方を教えてあげること。
そして自分の力で考え方を導き出せるように育ててあげたいですね。


今回のコラムでは、音楽教育における「繋げる力」を育むために必要なことをお話ししたいと思います。




本当に頭のよいお子さんは、授業だけ聞いていればすべてがわかってしまうと言います。
私のまわりにもそういう方は何名かいらっしゃいました。
そういう方は、物事の本質を見極める力、話の中でポイントを聞く力、
そして考え方のすべてを持ち合わせているのだと思います。


乳幼児期はさまざまな経験を日常の中でさせてあげることで、
脳の神経回路も結びつきを強め、活発に活動をしてくれるようになっていきます。


そして幼児期後半からの時期は、経験してきたもの同士を繋げてあげることで、
より柔軟な思考を身に付け、効率よく力にしていけるようにしてあげたい時期です。


音楽では、お勉強ほどに覚えなくてはいけないことはありません。
しかしながら、その分だけ応用で考えることが要されます。
音の高さは覚えてしまった方がいいことですが、それだけでも幼児期は時間がかかります。



そして、幼児にとってより複雑なのがリズムのしくみです。
全音符を4つに分けるのが4分音符。でも長さは1拍。
全音符を8こに分けるのが8分音符。でも長さは2分の1拍。

大人でしたら、簡単に理解できることですが、
まだ足し算も引き算も習ったことがない子どもたちにとって、わり算はちんぷんかんぷんです。


子どもの学習において大切だと考えられているのが体験。
この体験をさせてあげることで、さまざまな方向から考え方を繋げ、
自分でさまざまな方向からの考え方を導き出せるようにするのがソルフェージュです。


歌のトレーニングやリズムトレーニングでで体感をさせてあげること、
楽典(音楽における理論の勉強)で知的理解を働きかけてあげることから、
聴音(きいたものを楽譜にする力)も出来るようになっていくと、楽譜を本質から読むことが出来る力が育っています。


考え方が身に付くと、どうしたら良いかそのものも自分の力で導き出すことが出来るようになります。
未來ある子どもたちに必ず身に付けさせてあげたいのは、
この「考える力」だと強く感じています。


日本では、ソルフェージュ教育はまだまだ欧米から遅れをとっていますが、
ぜひ多くの方に知っていただきたいと切に願っております。


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