コラム

子どもたちの心に育てたいもの

春らしい日差しを感じる季節となりました。
こんにちは、日本こども音楽教育協会 代表理事の滝澤香織でございます。


日本のお稽古は、剣道、柔道、合気道、茶道、華道などと「道」という文字を使いますが、
音楽の習い事もまた同じだと感じます。


お稽古に来てくださる保護者の方からは、
「果たして続くのか・・・」という主旨の言葉を伺うこともあります。


それは、お子さん方が始めたいと言ったのではなく、
保護者の方のお気持ちで通わせてくださっているからこその言葉ですね。


ですから、指導者にとってまず大切なのは、
お子さん自身の「音楽を好き」という気持ちを育てることです。



ピアノの先生方はみなさん日頃より楽しくなる取り組みをしてくださっていますから、
お稽古開始から数年で辞めてしまうということは、ほぼ起こりません。


音楽のお稽古はぜひ高校生になるまで続けてください。
それは、1つにはそこまで続けてくだされば、大人になりピアノを少し離れていたとしても、
「弾きたい」と思った曲が「弾きたいと思ったイメージ」で弾くことが出来ます。


小学生までで辞めてしまわれた方は、残念ながら大人になってから理想の形で弾くことは難しくなってしまいます。
「両手10本指が違う動きをする」ということは、感覚神経が育つ時期からお稽古をすること、
そして継続することで、忘れない感覚として身に付くものです。


そしてもう1つは、お子さん方が成人になっていく過程で、
大きな根幹となる「道」を持っていて欲しいということです。


大人になれば、幾つものことを役回りとしてこなさなくてはいけません。
その場その場で、時には指摘を受けるようなことも待ち受けています。


何か一つのことを続ける中では、うまくなるために「アドバイス」を受けることで成長がありますが、
それをアドバイスととらえるか、非難と受け取るかで、
心の中に芽生えるものはまるで変ってしまいます。


お稽古事を「続ける」という中では、日々のスケジュールを管理し、
うまく息抜きしながら「続ける」という前向きな選択ができてこそ可能になっています。


こうして、忙しい中でもやり遂げた自信が、
心の中で大きな「道」になっていきます。


「続ける」という過程で、お子さん方の意思をどう導くかは、
大人の持つ力が大きいものです。


ぜひ音楽が一生の楽しみとなっていきますように・・・
心から願っております。





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