コラム

小さなうちは判断はさせないこと

ピアノのお稽古を始めたいとお越しくださった保護者の皆様からは、体験レッスンが終わった後に、
「やりたいの?」「やりたくないの?」「どっちなの?」と矢継ぎ早にお子さんに問いただす様子を拝見することがあります。


もちろん、自分の気持ちで「やってみたい」というお子さんもいらっしゃいますが、一般的に、
「○○をしたい」
「○○が好き」
というお子さんたちの価値観は、いつどのようなところから生まれるのでしょう?

今日は、価値観が形成される3つの時期にお話いたします。
社会科学者モリス・マッセイの定義では、価値観が形成されるのには3つの時期があります。

刷り込み期(0~7歳)
モデリング期(8~13歳)
社会化期(14歳~21歳)

人生の中で、基礎となる考え方を形成するのが刷り込み期。
スポンジのようにどんどんと周りの知識を吸収しながら、基本となる価値観が形成されるのがこの時期です。



つまり、この時期のお子さんたちにとっては、「保護者の方の気持ちを伝える」ことがお子さんの価値観となる時期であり、
保護者の方が「やって欲しい」「上手になってもらいたい」というお気持ちで話すことは、
お子さんにとっても「やってみたい」「上手になりたい」という気持ちを育みますが、
「やるの?やらないの?どっちなの?」という聞き方をされてしまっては、お子さん自身どうしたらいいのか判断をつけることが難しいかもしれません。


小さなうちの価値観は、周りの大人の様子から形成されていきます。
お子さん方にお話になる際には、保護者の皆様のお考えを伝える話し方をしてあげてください。



そして、モデリング期は、周りの人たちの真似を始める時期です。
まずは周りの大人の真似から始め、その後自分の中での価値観を形成していきます。


楽器の練習等においては、10歳くらいまでの時期は、保護者の皆様が一緒に取り組んでくださる姿
そばに感じることで、お子さんの中でも自然な流れで練習への価値観が形成されていきます。


練習する時間、練習の仕方等、自然な形でぜひ身に付けさせてあげたいですね。
「自分から練習しない」ということもよくご相談いただく内容ですが、
「練習しようね」とお声がけ頂き、そばで練習の様子を見て頂くことで、
お子さんにとっても、楽しい気持ちの中、自然と練習のリズムが出来ていきます。

練習の仕方等がおわかりにならない際は、ぜひご指導の先生にご質問なさってください。




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