コラム

音楽のお稽古に何を求めるか?

これから春へ向けて、新しくお稽古事をスタートされる方も多いのではないかと思います。


私自身、ピアノの指導者になりたいと持ったのは、幼稚園児の頃でした。
それから、ずっと変わることなくその道を続け、目標に対して努力を重ねてきたことになります。


もしかしたら、他のことも考えてみてもよかったのかもしれませんが、
中学生ぐらいの時期からは、「ピアノの先生がピアノがうまいのは当たり前。その他に何が必要か」を考えてきました。

音楽のお稽古は、幼稚園からの成長の大切な過程で、ずっと長い間、お子さんをお預かりする立場になります。
私自身がずっと一つのことを志してきたように、長い間真剣に努力を重ねてきたものがあることは、
心の中に大きな根幹として力を与えてくれるはずです。

剣道、柔道、華道、茶道等、「道」とつくお稽古事は、精神的な鍛練もなされるものだと考えますが、
音楽もまた同じだと思います。



音楽のお稽古は、まず毎日自発的な練習が必要とされます。
自分を律し、計画を立てて取り組んでいく気持ちを育ててあげることは、他のことに対しても必要な習慣ですね。


そして、たった一人で大きな舞台へ出ていき、たくさんのお客様の前で、自らを発揮すること。
これは大人になって経験される方よりも、子どものうちから慣れさせてあげることで、
心の中に起こる緊張感はぜんぜん違ってきます。


また、時にして自分の考えをそのまま口にするということは、人を傷つけてしまうこともありますが、
音楽の世界においての自己開放は自由です。


多感な時期をむかえて、自分の心の中では抱えきれないものが起こった時、音楽が安らぎになり、
社会人になって、周りからの重圧に心を傷めた時も音楽で自己開放することで癒しになってくれるはずです。


また、幼少期からの音楽教育は、お子さん方の感覚神経を発達させる取り組みにあふれています。
情操教育として、お子さんの心にもたらすものも大きいと感じます。


音楽の指導者は、音大で音楽のことを学ぶのではなく、
幼児期の発達学、幼児心理学、幼児教育学等学んだうえで、指導の職に就いている方がたくさんいらっしゃいます。
音楽上のことだけでなく、長い間お子さんをお預かりする立場として、教育について理解された方ばかりです。

いろいろな面から、お子さんの成長を見守る存在でありますことをご理解ください。

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