コラム

「覚える」ために必要なこと

私ども日本こども音楽教育協会では、絶対音感プログラムを実施しております。
絶対音感と申しますと、特別な能力ではなく、適切な時期に適切なトレーニングをしてあげれば、
どなたでも身に付けることが出来る能力ですが、プログラムの過程でもそうですし、
楽器のお稽古においても、また勉学においても「覚える」過程では、早く身に付けるために大切なことがあります。

それは、頭の中を整理整頓することです。



絶対音感プログラムの中では、聴き取りのトレーニングをしていきますが、その中では「聴くコツ」をつかませてあげることが、
早く能力を身に付けるために必要です。


また楽器の指導においても、その時その時の方法論だけ教えてあげることは、音楽的な自立には繋がりません。
「どういう時にはどうしたらいい」
という考え方を教えてあげることで」、分析力を育ててあげることこそが、覚えてもらうためには最も重要なことです。


分析できる力があれば、将来的に誰の力を借りなくても、自ら音楽を構成できるようになり、
音楽を楽しめる世界がとても広がります。


分析力を育ててあげるためには、指導者が分析的な説明を繰り返し繰り返し丁寧にしてあげることが大切です。
大人にとっては簡単と思えることも、いろいろなことにおいて経験の少ない子どもたちにとっては、
わからないことがいっぱいです。


語彙力も少ない子どもたちに分析をさせるために、まずわかりやすい伝え方は「比較」です。
音は目には見えないものですから、見えない世界で感覚的に話をしても、
理解させるのには難しくなります。


音楽的な感覚に優れた子は、キャッチすることが出来たとしても、
すべての子に伝わるようにするためには、「見えないものを見えるものに例えて説明すること」です。

音の高さを比較させるなら、階段を絵に描いて感覚をつかませてあげたり、
音を飛ばすことに関して説明がしたいのならば、遊びで経験しているボールに例えて説明してあげたり。。。


わかる世界で説明してあげることで、お子さんの頭の中も上手に整理整頓されていけば、
覚えることも上手になっていくことでしょう。


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