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正解が言える子と考えが持てる子

立春を過ぎ、少しずつ春が近づいていることを感じるようになってきましたね。
皆様いかがお過ごしでしょうか?
私は教育の道に就いて30年目を迎えましたが、その中で感じてきた「越えられない壁」を変えていく取り組みを春へ向けて準備しています。


小学生の指導をしていて、年々感じることが多くなった子どもたちの姿。
「あなたはどう思う?」と聞かれたとき
 
「これ、どう思う?」
 
そう聞いたときに、すぐに答えられる子と、少し戸惑ってしまう子がいます。
 
間違い探しは得意。テストの点も悪くない。先生に言われたことはきちんとできる。
でも、「あなたはどう感じた?」と聞かれると、止まってしまう。

 
 
これは能力の差ではありません。"経験の差"なのだと思うのです。
 
 
 
日本の教育は、世界的に見てもとても水準が高いと言われています。
基礎学力は安定していて、努力を続ける力もある。礼儀や協調性も育っている。道徳心も高い。
これは他国には見られない本当に誇れることです。

 
 
ただ一方で、世界の教育が今とても大切にしている力があります。
それは、自分の考えを持つこと、その理由を言葉にすること、違う意見と対話すること。
つまり、「思考する習慣」です。

 
 
なぜ、考えを言うのが難しいのでしょうか?


 
私たち大人も、子どもの頃を思い出してみると、「正解を早く出すこと」「間違えないこと」「空気を読むこと」を自然と求められてきませんでしたか?

 
そうした環境では、"途中の考え"を口に出す機会はあまり多くありません。
だから子どもたちは、考えられないのではなく、考えを出す練習をしていないだけなのです。
 
 
 
AIが発達し、正解を出すだけなら機械の方が速い時代になりました。
では、人にしかできないことは何でしょうか?

 
 
・問いを持つこと
・違いを受け入れること
・自分で選ぶこと

こうした力は、特別な教育環境だけで育つものではありません。
ご家庭での日々の会話の中で、少しずつ育っていきます。

 
 
 
 
例えば、こんなふうに声のかけ方を少し変えてみるのはどうでしょうか?
 
「今日どうだった?」ではなく
→「今日いちばん面白かったことは何だった?」
 
 
「なんでできなかったの?」ではなく
→「どうしたらうまくいきそうかな?」
 
正解を求めるのではなく、お子さんの気持ちや考えを聞いてみる。
そして、すぐに評価せずに
「そう思ったんだね」「そんな考えもあるね」。
とお子さんの考えに共感してあげる。
その一言が、子どもにとっては大きな安心になり、自信にも繋がっていきます。

 
 
思考は、才能ではありません。
それは"習慣"です。
 
毎日の小さな問いかけが、やがて子どもの中に「私はどう思うだろう?」という内側の声を育てます。
正解を言えることはとても素晴らしいことです。
でもその先に、「自分の考えを持てる子」になってほしい。

 

 
ご家庭で無理なく取り組める小さな"思考の習慣づくり"。
特別な教材も、たくさんの時間も必要ありません。
日々の会話の中で、少しずつ。それだけで、子どもの中には確かな力が育っていきます。
 

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