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コラム
世界の国々との違いを考える
今年は音楽界では大きな国際コンクールが多い年でした。
4月にはショパン国際ピアノコンクール予備予選(ポーランド)、5月にエリザベート王妃国際コンクール(ベルギー)、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール(アメリカ)、10月にはショパン国際ピアノコンクールが開催され、日本人の若手ピアニストも活躍されましたが、アジア人、特に中国人の活躍が目立ちましたね。
その場に至るまでには、数年かけて準備に取り組まれてらっしゃる背景を考えると、
本当に心震える感動の時間でした。
私自身も1月には国内からショパンコンクールの予備予選に出場する権利が得られる派遣コンクールの三次予選を2日間見学したのもあり、
ポーランドでのコンクールもこれまでより、より身近に感じながら鑑賞していました。
ショパンコンクールの審査表を見ると、その方によって評価する方そうでない方も全く違って、各々の価値観だけではなく、
生まれ育った国の音楽文化や社会的背景のようなものも違うのだろうなぁと思いました。
実際のところ、日本では当たり前のような道徳心が、海外ではそうではないことを知ります。
日本では、幼稚園に入園する頃から「お友だちはたくさん作ろう」「お友だちと仲良くしよう」と習いますが、
世界幸福度ランキング8年連続第1位のフィンランドでは、まずは自分に重きを置くことを大切にさせるため、日本のような価値観を言われることはありません。

お友だちがたくさんいることは、一見楽しそうに見えるかもしれません。
しかしながら、いつも人に囲まれて、いろいろな人と会話していると、物事をじっと観察したり、「自分で考える時間」が持てなくなるためだそうです。
フィンランドでは、静寂の中で考える時間を「知性を磨く瞑想」と呼び、とても大切なことだと考えられています。
日本の学校教育では協調性を育てますが、フィンランドでは「個性」を育てます。
日本では「みんなと一緒が安心」と考えますが、フィンランドでは「みんな違うからおもしろい」と考えられています。
だからこそ他人と比べて疲弊する子が少ないのだそうです。
まずは、自分自身の考えをしっかりと思慮深く考えられるようになること。
「自分」を持った上で、人と交流を持っていこう。
一人で静かに考える時間(孤独)を知っているからこそ、他人にも本質的に優しくなれる。
「孤独=強さ」であると教えられているそうです。
国際コンクールで活躍なさる方の演奏には、型を破っていく自由さと「強さ」を感じます。
これから日本人が国際コンクールの場で飛躍していくためのヒントなのかもしれませんね。
今年一年もご訪問くださりありがとうございました。
一層の寒さに向かう時節柄、お身体お厭いの上、心穏やかな年末年始をお過ごしください。
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(一般社団法人日本こども音楽教育協会) 2025年12月18日 19:20
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