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読譜指導の重要性

弊会でもお世話になっておりますピアニストの方がテレビ番組へ出演なさった際、
ご指導の先生が「彼のピアノには無駄な音が一つもない」とおっしゃっていました。


10ページにもなろう曲には、何万個もの音がありますが、
その一つ一つには意味があり、実は相対的に出すべき大きさやスピードも決まっています。

プロの演奏家の方の演奏と、愛好家の方の演奏が何が違うかとお話ししますと、
この出すべきところで音を出せているか、そうでないかが一番大きな違いです。

これはお子さん方の楽器の演奏で考えても同じです。
コンクールで上位を取られる方の演奏は、そのすべての音の出すべきところを理解でき、
すべての音を狙いのところで出せているかどうかで、演奏の細やかさが違っています。


では、出すべきところを読むのに必要なのが、ソルフェージュ力です。



音楽を形成する中で、まず音の高さ、リズム、表情記号を読むこと、そして出すべきところを読むためには、
拍子、音価、音型の理解、そして和声の理解が出来る必要があります。


ご両親どちらかが音楽家のお子さんは、小さなうちにはリトミックから始め、時期が来たらソルフェージュのお勉強をし、その後に楽器を習われる(ヴァイオリンなど習われる時期が早いものは除きます)のは、楽器の上達のために必要な教育の順をよくご存知だからです。


これは、大きな学年になってから読む必要があるのではなく、
楽譜の中に音の数が少ないうちの、なるべく小さな学年から読ませてあげたいことです。


小さな学年の音数が少ない曲は、曲のつくりもわかりやすくなっていますから、
その時期から丁寧に読み方を教えてあげること、気を付けなければいけないことを徹底させてあげることで、長く作りが複雑な楽曲なってきても、自分の力で分析できる能力が育ってきます。

そして、中学生や高校生になっても楽器のお稽古を続けさせてあげるために最も重要だと感じますのも、楽譜を読むことが困難でないことだと思います。

ぜひ楽器の奏法を学ぶことと一緒に、楽譜を読み解く能力も小さなうちから育ててあげたいですね。

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